ヴィヨン

佐々木敏光『ヴィヨンとその世界』(沖積舎)


 ヴィヨン(フランソワ) 【Francois Villon】[一四三一?〜一四六三?] 一連のヴィヨン詩の登場人物。同時に作者とも想定される伝説的詩人。フランス文学史におけるフランス中世最大の詩人。中世末期パリの生れ、近代詩の先駆的存在でもある。パリ大学に学んで高い学識を持ちながら、殺人,窃盗などを犯して,逃走,放浪,投獄の生涯を送った。最後は殺傷事件にまきこまれ絞首刑の宣告をうけたがあやうく免れ、1463年パリから十年間追放の刑をうけ、以後消息不明。多彩な形式の詩集『形見分け』『遺言書』、その他随時書き溜めた『雑詩』などがある。作品のいたるところに韜晦・皮肉・嘲笑・哄笑が炸裂、と共に無頼に満ちた青春への苦い自嘲や悔恨、死を前にしての厳粛な諦念や祈願が深い思いを伝える。ただし、古記録にある殺人,窃盗などを犯したヴィヨンが、一連のヴィヨン詩の作者かどうかは本当のところはわかっていない。
(電子版『広辞苑』を基に書換え)
(Francois =文字化けをさけるため、c は英字のまま)

 「ヴィヨン全詩・新訳」(『形見分け』、『遺言書』、『雑詩』、『隠語のバラード』を掲載している。
  最近のフランスのヴィヨン全集に取り上げられることが多くなったとはいえ、依然偽書の疑いもある 『隠語のバラード』 (このページの後半を参照)全11篇訳出は、全訳としては本邦初かも知れない。
 なお、『雑詩』「ラテン語混じりのバラード」 は、かつてのロニヨン=フーレ版にかわって、権威的な版本になったリシュネル=アンリ版 に採用されて以来、フランスの「ヴィヨン全詩集」にのることが多くなった詩である。現在出版されている日本版「ヴィヨン全詩集」には、掲載されていない。

 (新訳にあたっては、若い世代にも読みやすいように、部分的には隠された意味を含めた大胆な意訳を採用している。)

新訳とりあえず終了(97.1 )。以後翻訳の推敲や注の追加を含めて第二段階へ。


 ヴィヨン小伝 (97.4.26)


 形見分け(ヴィヨン)  (97.10.16)

 遺言書(ヴィヨン)  (99.7.19)

 雑詩(ヴィヨン)  (97.8.18)

  隠語のバラード(ヴィヨン) 
 「バラード II」の重層的な訳を巻末に追加

  ヴィヨン詩抄出(履歴) (2000.4.6)


 同時代の文学 (翻訳) (97.9.24) 
 かつてヴィヨン作と称せられていた作品など同時代の文学の翻訳


 ヴィヨンとその世界 (ヴィヨン論) (97.10.20) New 
 紀要などに掲載のヴィヨン論。目下、目次と二論文のみ


 さて、そもそもヴィヨンという名の詩人が実際にいたかどうかははっきりしていない。諸碩学の研究の結果、当時の最高学府のパリ大学を卒業しながら、悪行をはたらいたヴィヨンという名の男はどうやらいるらしいことはわかった。しかし、彼がいわゆる「ヴィヨン詩」を書いた詩人かどうかはわかっていない。悪行の誉れ(?)高いヴィヨンをテーマとして他の誰かが書いたことも充分考えられるのである。
 また、「ヴィヨン」がはたして、当時ディジョンを中心として活動していた盗賊団「コキヤール党」のメンバーであったことがあるかどうかなど、一説では、彼等のために彼等の隠語を使って『隠語のバラード』書いたということになっているが、本当のところはわからない。
 しかし、『隠語のバラード』は、「ヴィヨン詩」の語彙と共通点もあり、ヴィヨン作品を理解するには重要な素材である。「ヴィヨン全詩・新訳」の一環として訳出することにした理由がそこにある。

《フランス語テキスト》
 中世フランスの無頼詩人、ヴィヨンのテキストを、正確に再現するのは難しい。
自筆原稿は残されていない。幾種類かの写本があり、それをどう読むか、あまたの碩学のあまたの版本が山とある。とりあえず、『形見分け』(Le Lais)、『遺言書』(Le Testament)と、『雑詩』(Poesies Diverses)のヴィヨン・テキストを、定評の高いリシュネル=アンリ版(主にC写本に則る)を中心に、他の版本を参考にして若干修正しつつ、重要な異文をつけ加えてフランス語で入力した。(ヴィヨンの写本にも一応目を通しているが、へたなことは言えない。それはフランスのその筋の専門家にまかせ、ぼくはヴィヨン自体へ迫ることに力をそそぎたい。また、tabを使ったせいか行数表示が乱れている。そのうち整理する予定です。)
 偽書の疑いの濃いヴィヨン『隠語のバラード』(Ballades en jargon)は、リシュネル=アンリ版にはないが、最近のフランスの「ヴィヨン全詩集」に採用される事が多く、諸版本を参考にしつつテキストとして入力してみた。
 (ただし、フランス語のテキストは版権の問題もあり、個人的な利用以外はさしひかえていただきたい。)

(フランス語では、そのままでは文字化けしますので、Options の
Document Encoding を Western (Latin1) に変更してください。)

Le Lais(フランス語)

Le Testament(フランス語)

Poesies Diverses (Poemes Varies)(フランス語)

Ballades en jargon(フランス語)

* * * * * * * * * * * * Villon Link * * * * * * * * * * * *

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 ─ヴィヨンという「美しい牡」(芥川龍之介)がいた─』

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(沖積舎)




基本語彙=佐々木敏光、俳句、ヴィヨン、フランス詩、ヴィヨンの妻、モンテーニュ
佐々木敏光、俳句、ヴィヨン、フランス詩、ヴィヨンの妻、モンテーニュ、  (開設:1996.8.26) 佐々木敏光の「 俳句 * ヴィヨン」(佐々木敏光による俳句とヴィヨン)